【新課程】2025年共通テストの主な変更点を徹底解説!


富岡
富岡

こんにちは。学習PROJECT代表の富岡です。
今回は、新課程で行われる2025年共通テストについて解説していきます。

2025年、共通テストは現行課程から新課程へ出題内容を切り替えます。
一体どのように変更されるのか、またどのような対策をすればよいのかをみていきましょう。


この記事は、以下の方にとって有益な記事になります。

・2025年共通テストの変更点を知りたい!
・2025年共通テストの対策をしておきたい!
・共通テストがどのようなテストなのか知りたい!



それでは2025年共通テストについて解説していきます。最後までお付き合いいただけると幸いです。
(※はじめに「共通テスト」そのものについて解説しています。各自の理解に応じて読み飛ばしていただいても構いません。)

共通テストとは

共通テストは、2021年から始まったマークセンス方式の試験です。
毎年1月13日以降の土日に本試験が行われます。
これは、今まで「センター試験」と呼ばれていた試験を変えたものになります。
当初は記述の導入も考えられていましたが、採点の問題などが出てきたため見送りとなっています。


現行の共通テストは2日間に分けて行われます。
1日目は「社会」「国語」「英語」の順に試験をします。
2日目は「理科基礎」「数学①」「数学②」「理科発展」の順に試験します。


共通テストは以下の受験生が利用する試験になります。

・国公立大学の受験生
・私立大学共通テスト利用の受験生
・高校で共通テスト受験を義務づけられている受験生


国公立大学の受験生

国公立大学を受験する人は、必ず共通テストを受験します。
国公立大学では、共通テストと大学独自の試験の二つを受験するのが基本です。
したがって、合否の判定は共通テストと独自試験の合計点によります。
そのため、共通テストは「一次試験」独自試験が「二次試験」といった扱いになります。


国公立受験生の中でも、中堅国公立大辺りを狙う受験生にとって共通テストが関門となります
というのも、中堅国公立大は共通テストの配点の方が二次試験の配点よりも高い場合が多いからです。
つまり、共通テストで結果が振るわないと、二次試験で逆転をするのが難しくなるということです。


もちろん、難関国公立大でも当てはまる側面があります。
例えば、「足切り」です。
「足切り」は、大学側が設けた共通テストの最低点に達していない受験生が、その大学の二次試験を受験する資格を剥奪される制度です。
つまり門前払いです。なかなか厳しいですが現状このような制度をとっています。


また、難関大の中には、二次試験の採点がやや不明瞭で、科目によっては合格者の点数がみんな似たり寄ったりになってしまうケースがあります。
特に、国語の配点が高くなるとこういったことが起きます(理系ではあまりみられません)。
実際いろいろな難関大文系合格者に話を聞いても、以下の発言はよく耳にします。

合格者
合格者

なんでこんなに点数が取れたのか分かりません・・・

合格者
合格者

いろんな人の得点開示を見たけど、みんな似たり寄ったりの点数なんです・・・


こうした場合も、二次試験の方が配点は高いものの、なんだかんだで共通テストで高得点を取って逃げ切る試験と言ってもいいかもしれませんね。

私立大学共通テスト利用の受験生

私立大学を一般受験するとき、大別して以下のような受験方式があります。

・共通テストのみ
・個別試験のみ
・共通テスト+個別試験



もちろん、英語の民間試験の導入など特色入試を行っているケースもありますが、ここでは取り上げません。


上記のうち、「共通テストのみ」の受験について少しだけ述べておきます。
こちらの受験方式では、以下のメリットがあります。

・大学独自の個別試験対策をする必要が無い!
・国公立受験者が併願がしやすい!
・共通テストが得意な場合、その強みを活かせる!



共通テストの点数のみで合格が決まるので、大学独自の過去問をあれこれ解く必要がありません
また、国公立組は必ず共通テストを受けるので、そのついでに私大の合格を決められる制度でもあります。


ですが、逆にデメリットもあります。

・共通テストで結果が振るわなかった場合受からない!
・上位国公立志望の人が多く出願してくる可能性がある!
・2022年現在、共通テストの過去問が少ない!


2022年現在、共通テストは2度行われました。2度目の共通テストは受験生にとっては悪夢のようだったと思います。それくらい難しかったです。
共通テスト(センター試験)は、年度によって難度にブレが生じやすい試験です。
盤石な基礎ができている受験生であればいいですが、そうでない受験生も多くいるのが現状です。
彼らにとって、共通テストのみで私大合格を決めることは難しいでしょう。


上位国公立大学の受験者も多くこの制度を利用しますから、かなりの高得点を要求される大学も多いです。
私立大は個別試験の方が受かりやすいというのは、よく言われる話です。


また、共通テストは2022年現在2回しか行われていないので、対策できる過去問のサンプルが少ないこともデメリットになるでしょう。

高校で共通テスト受験を義務づけられている受験生

例えば推薦入試ですでに合格が決まっている生徒でも、高校側が共通テスト受験を義務づけていることもあります。
その場合、どんなかたちであれ受験することになります。


こうした現役生達も共通テストを受験しに来ます。

2025年共通テスト科目の変更点

ここからが本題です。
2025年共通テストでは、以下の大まかな変更点があります。

・「情報」の新設
・「数学Ⅱ・B・C」の新設
・地歴は「総合」と「探求」に名称変更、公民は「公共」の新設
・「理科基礎」が「物理基礎,化学基礎,生物基礎,地学基礎」に名称変更



それぞれについてみていきましょう。


「情報」の新設

新課程への切り替えによって、最も大きく注目されるのがこの「情報」の新設です。
今まで「情報」は副教科の扱いでした。
しかし、現代は情報の時代です。「society5.0」とも呼ばれる時代になります。
そのような時代の中で「情報」の重要性が高まっています。


さて、「情報」は主要教科へ格上げになる、と考えてほしいと思います。
というのも、国公立大学受験の際には、「情報」の受験が必須になるからです。


学校教育では「情報Ⅰ」が必履修科目になります。
そのため、共通テストでも「情報」が取り入れられることになります。


また、2025年共通テストでは、国公立大受験の浪人生も「情報」の勉強をしなくてはいけません
一応、「浪人生に配慮した別問題」として扱われていますが、その点の具体案は示されておらず、不透明です。


したがって、2025年国公立大学受験生は、国語・数学・外国語・理科・社会に「情報」を加えた6教科を受験することになります。


この負担はかなり大きいですね。

「数学Ⅱ・B・C」の新設

現行の共通テストには、「数学①」と「数学②」があります。
内訳は以下の通りです。

数学①:「数学Ⅰ」または「数学Ⅰ・A」のどちらかを選択
数学②:「数学Ⅱ」または「数学Ⅱ・B」のどちらかを選択



自身の受験する大学が指定する型を、上記の中から選択して受験する形式です。


しかし、このうちの「数学②」が大きく変わります。
それが「数学Ⅱ・B・C」の新設です。


数学Cは新課程になり入ってきたものになります。
大事なのは、「数学Ⅱ」も「数学Ⅱ・B」も選択肢がなくなる、ということです。
言い換えれば、「数学Ⅱ・B・C」しか選べません
さらに、文系受験者もこの方式でしか受験できません


そのため、国公立文系受験生が最も負担が大きくなる可能性があります
今までは「数学Ⅱ」のみ、もしくは「数学Ⅱ・B」の選択でした。それが数学Cまで必須になるわけです。
これによって志願者数が減少する可能性もあります。
裏を返せば、この負担を乗り越えられた受験生は、合格の可能性が上がることにもなります。


新課程数学に関しては以下の記事で徹底解説しています!
こちらもあわせてご参照ください。



地歴は「総合」と「探求」に名称変更、公民は「公共」の新設

2025年共通テストでは、以下の出題となります。

【地歴】
①地理総合,地理探求
②歴史総合,日本史探究
③歴史総合,世界史探究

【公民】
①公共,倫理
②公共,政治・経済

【地歴・公民】
地理総合,歴史総合,公共



地歴にかんしては、「総合」と「探求」で構成されています。
「歴史総合」がどのような構成になるかは定かではないですが、「歴史総合、日本史探究」と「歴史総合、世界史探究」では、「歴史総合」の内容が変わると思われます。
現行課程では「地理A」「日本史A」「世界史A」「地理B」「日本史B」「世界史B」となっています。
おそらく「総合」が「A」に、「探求」が「B」に当たるものと思われます。
しかし、その内容が変わることはある程度覚悟しておく必要があるでしょう。


公民にかんしては、「公共」が新設されます。
現行課程では「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理,政治・経済」となっています。
その内の「現代社会」にあたるのが「公共」ということになりそうです。
また、文部科学省は以下のように、「倫理」や「政治・経済」を「公共」の発展と捉えています。

また、これ(引用者注:「公共」で学習する事項)を発展的に学習する選択履修科目として「倫理」,「政治・経済」を位置づける。

【公民編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説



「公共」はおよそ現行の「現代社会」にあたるだろうと言えますが、以下のようにあります。

家庭科,情報科や総合的な探求の時間等と連携して,現代社会の諸課題を捉え考察し,選択・判断するための手掛かりとなる概念や理論を,古今東西の知的蓄積を踏まえて習得するとともに,それらを活用して自立した主体として,他者と協働しつつ国家・社会の形成に参画し,持続可能な社会づくりに向けて必要な力を育む共通必履修科目としての「公共」を設置し……

【公民編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説



家庭科や情報科等とも連携してくるので、必修化される「情報Ⅰ」とも繋がりが大きくなる可能性があります。
また、家庭科との繋がりをどのように結びつけてくるのかは現状分からない点が多いですが、少し気にとめておくとよいでしょう。


2025年共通テストからは、「倫理」だけ、「政治・経済」だけ、という選択の仕方が出来なくなります
必ず「公共」とセットで受験する必要が出てきます。


さて、新たに置かれた選択肢が「地理総合,歴史総合,公共」です。
これで一つの選択科目になります。
この選択科目では、3つのうち2つを選択することになります。
つまり、「地理総合+歴史総合」「地理総合+公共」「歴史総合+公共」の組み合わせになります。


各大学が上記の科目の内何を採用するかは現状定かではありません。
情報は常に集めるようにしたいところです。

「理科基礎」が「物理基礎,化学基礎,生物基礎,地学基礎」に名称変更

現行課程では、「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」の4科目で構成されています。
それが「物理基礎,化学基礎,生物基礎,地学基礎」の1科目として集約されます。


2025年共通テストにおける理科の選択パターンを以下に挙げておきます。

A:「物理基礎,化学基礎,生物基礎,地学基礎」の中から2つ選択
B:「物理」「化学」「生物」「地学」の中から1つ選択
C:「物理基礎,化学基礎,生物基礎,地学基礎」の中から2つ選択し、さらに「物理」「化学」「生物」「地学」の中から1つ選択 
D:「物理」「化学」「生物」「地学」の中から2つ選択



現状選択の仕方に大きな変更はありませんが、理科基礎が1科目に集約されたことで個別試験などに影響があるかもしれません。

2025年共通テスト試験時間の変更点

試験時間の変更点についても付け加えておきます。

現行課程新課程
国語
→80分
国語
90分
数学ⅠまたはⅠ・A
→70分
数学ⅠまたはⅠ・A
→70分
数学ⅡまたはⅡ・B
→60分
数学Ⅱ・B・C
70分
外国語(筆記)
→80分
外国語(リスニング)
→60分(回答時間30分)
外国語(筆記)
→80分
外国語(リスニング)
→60分(回答時間30分)
理科
→60分(1科目あたり)
理科
→60分(1科目あたり)
社会
→60分(1科目あたり)
社会
→60分(1科目あたり)
情報
60分



表にまとめたとおり、赤マーカー部分が変更点になります。


国語、数学Ⅱ・B・Cの10分延長、情報の新設による60分の追加
入試本番や模試でどのような日程が組まれるかも気になるところですね。


試験時間も長くなります。
現行の共通テストも国公立受験生からみると負担が大きいですが、これからもっと負担が大きくなります。

情報を集めて早めの対策を!

今回は2025年共通テストの変更点を解説しました。
科目数が増え、時間も長くなります。
そのため、早め早めの対策をする必要が出てきます。
勉強体力をつけるためにも、学習内容の習熟を図るためにも早めの対策が必要になるでしょう。


きちんと情報を集めて、しっかりと対策を練っていきましょう。


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