
こんにちは。学習PROJECT代表の富岡です。
今回は大学受験化学の参考書と勉強手順についてお話ししたいと思います。
大学受験において、化学は多くの人が使う科目です。
文系では「化学基礎」を、理系では「化学」を選択することが多いです。
そんな化学ですが、苦手な人はやはり苦手で、なんとかしたいと思っている人も多いでしょう。
一体どのように学習していくのが良いのでしょうか。
その点についてみていきたいと思います。
今回の記事は以下の方に有益な情報となります。
・化学基礎・化学を受験で使いたい人
・化学が苦手で困っている人
・化学の参考書を調べている人
今回は扱う参考書のなかには、化学基礎と化学がセットになっているものも含まれます。
化学基礎のみ受験の方でも、「化学基礎」のみにこだわらず、「化学とセットだけど良い参考書」に焦点をあてて選ぶようにしてください。
それではみていきましょう。最後までお付き合いいただけると幸いです。

化学参考書

化学には多くの参考書があります。
書店に並んでいる参考書のほとんどは目を通しています。
その上で、学習効果の高い参考書・問題集を紹介したいと思います。
ここからは、以下の順にみていこうと思います。
①講義系参考書
②問題集
③資料集
①ー1:岡野の化学が初歩からしっかり身につく
1冊目ご紹介するのは、技術評論社から出版されている『岡野の化学が初歩からしっかり身につく』です。
こちらの参考書は、その名の通り「初歩」から着実に化学の知識を身につけていけます。
初学者の方でも大丈夫です。グンと力をつけてくれます。
説明が非常に丁寧で、難しい言葉を一切使わない講義形式の参考書なので、親しみがもてます。
一方、それゆえに読む分量が多めになります。
とはいえ、かなり分かりやすく親切に書かれてあるため、読みこなすことにそこまで労力はいりません。
現在、こちらの参考書は、「化学基礎」「理論化学①」「無機化学+有機化学①」「理論化学②+有機化学②」の4冊が刊行されています。
2022年現在、「化学基礎」が改訂され、表紙もピンク→青色に変更されていますので、これから購入される方は青色の改訂版をご購入ください。
以下にリンクを貼っておきますので、興味のある方は以下よりお買い求めください。
①ー2:二見太郎の早わかり化学
こちらはGakken出版の『二見太郎の早わかり化学(化学基礎+化学)』です。
こちらも非常に丁寧で分かりやすい説明をしてくれる講義系参考書です。
化学基礎と化学を1冊にまとめた参考書で、化学基礎はオレンジ色のページ、化学は青色のページと分けられているので自分がどちらを学習しているか分かりやすいレイアウトになっています。
化学基礎だけを考えている方は『岡野の化学基礎が初歩からしっかり身につく』の方が持ち運びの面などで楽かもしれません。
しかし、理系でがっつり化学を使う人はこちらの参考書を使うのも良いでしょう。
この参考書は図解が多く、文字量は抑えめになっています。
そのため、参考書自体が分厚くなっていますが、かなりサクサク読めるように配慮されています。ご安心を。
ここで一点断っておきます。
化学の講義系参考書は他にも優秀な出来のものが多いです(例えば「DOシリーズ」や「宇宙一分かりやすい」などもそうですね)。
どれもそれぞれ味があります。
扱っている内容自体に大きな違いは無いので、自分が良いなと思ったものを使うのがベストです。
ただ、上記2冊は比較検討した中で良書と判断したものになります。
講義系参考書は1冊持っていれば十分です。何冊も持つのは絶対にやめましょう。
②-1:化学の新標準演習
ここからは問題集です。
私としては、こちらはもうマストアイテムだといいたい問題集です。
それが三省堂から出版されている『化学の新標準演習』です。
化学の問題集は、問題の選定は素晴らしいものが多いですが、解説が簡素で学びが薄くなる危険性が大きいです。(これは有名な問題集にも言えるので注意が必要です。)
問題集で最も必要な条件は「解説の質」です。
この「解説の質」がぶっちぎりで良いのがこの問題集なのです。
問題とは別冊の解答解説集の方が分厚いくらいです。
それくらい細かく、しかし分かりやすく解説を加えてくれています。
私としては、他の問題集はいいからまずはこれを繰り返しやってくれ、と思っています。
こちらの問題集は主に理系入試の標準問題を取り扱っています。
しかし、基礎的な問題も多く取り扱っているので、学校の授業の補助としても使えます。
また、化学基礎が初めの方のページに、化学が後半のページになるように構成されています。
共通テスト対策ページもあるので、万能ですね。
②ー2:化学の新演習
こちらは、先ほど挙げた『化学の新標準演習』の続編と考えてください。
最難関大学を受験したいと考えている人にはマストアイテムになります。
良質な難問がそろっており、「これをできるようになれば解けない問題は無くなるだろう」ともいわれるほどです。
当然解説の質は『化学の新標準演習』を引き継いでいます。
セットで使えば効果的なのはいうまでもありません。
一点だけ難点があるとすれば、計算における有効数字の扱いがあまり正確ではないところです。
最難関大学受験のバイブルたりえる存在といえるでしょう。
③-1:視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録
化学はミクロな世界を扱うのでなかなかイメージが湧きにくい科目です。
また、学校であまり実験をやらないところもあるでしょう。
そういった方でも、化学現象や溶液の色などを視覚的に理解できる図録になります。
この図録は、スマートフォンから実験映像やアニメーションを無料で見ることができます。
紙の上だけだとできない勉強が可能になるわけですね。
2022年2月に新課程版が刊行されました。
興味のある方は以下リンクよりお買い求めください。
③-2:化学の新研究
こちらは『化学の新標準演習』『化学の新演習』シリーズの解説書です。
ひとことで言えば、網羅度がすさまじいです。
最難関大学受験で化学を得点源にしたい方にはマストアイテムになるでしょう。
一方、化学基礎のみの受験を考えている人にはオーバーワークになる可能性があります。
化学には一程度の知識が必要になります。
計算力とともに知識量も武器になる科目です。
勉強手順

勉強の手順の一例を挙げておきます。
STEP1:講義系参考書を読む
STEP2:基本問題に取り組む+資料集の併用
STEP3:再び講義系参考書を読む
STEP4:発展問題に取り組む+資料集の併用
(※最終的にすらすら解けたら合格。次の章へ。)
STEP1:講義系参考書を読む
まずは講義系参考書を読み込みましょう。
きちんと理解した上で問題演習すると効果的だからです。
その際になんとなく読み流すのではなく、メモをとったり印をつけたりしましょう。
参考書に書き込むのが嫌な人はノートを使ってください。
かなりやさしく書かれてはいますが、初学者が一発ですべて理解できるとは思いません。
まずは自分なりに理解できるところを拾っていくことがSTEP1になります。
STEP2:基本問題に取り組む+資料集の併用
講義系参考書を一読したら、問題集の基本例題や基本問題に取り組みましょう。
これらに取り組む中で、はじめて講義系参考書で書かれていたことがわかったりすることも珍しくありません。
やはりアウトプットという実戦経験に勝るものはありません。
その際に注意してほしいのは、分からない問題を前にしてあまり考え込まないことです。
というのは、解けなかった理由がそもそもの知識不足からくるものであった場合、考えたところで解けないため時間を無駄にしてしまうからです。
基本例題や基本問題ではむしろ、解答から考え方を学ぶ、という姿勢で勉強してほしいと思います。
ここでは併せて資料集なども参考にしながら、自分の抜けていた知識の確認や、理解の深化を図ってください。
STEP3:再び講義系参考書を読む
ここでもう一度、講義系参考書を読み直します。
これを面倒くさがってやらない人が多いですね。
実際に、初めて学習する内容は1回目ですべて理解できるはずありません。
そのため、1回目に読んだときには分からなかったり、見落としていたりする点が必ずあるはずです。
今一度、こうした点を拾いに行く作業です。
この過程が、記憶の整理・定着につながる最も大事な過程です。
STEP4:発展問題に取り組む+資料集の併用
STEP3まで終えたら発展問題にチャレンジしましょう。
最初は少し自分で考えてみましょう。その過程自体は大事です。
ただし、化学という教科は、発展内容には発展内容特有の知識が必要だったりもしますから、分からなかったら潔くあきらめて答えをみましょう。
その際に、基礎をどのように応用しているのかに注意しながら解説を読むようにしましょう。
ただなんとなく「ふーん」ではいけません。
自分が基本問題で身につけた事項がどのように活かされるのかをきちんと理解すること、これが大事になります。
ここまでをすらすら解けるように何度も何度も解き直すことが、その章の合格ラインです。
化学は知識が大切!

いかがでしたか?
今回は化学基礎・化学のオススメ参考書と、勉強手順についてお話ししました。
化学は理系科目ではありますが、「事実の科目」でもあります。
まず知らなければ始まりません。
知ればそのまま得点になる問題も多い科目です。
その際には、問題集などは解説がきちんと細かく載っているものが良いですよね。
この記事を参考に、化学基礎・化学を是非得意にしてくださいね。