【最新版】2023共通テスト国語の傾向と総評


富岡
富岡

学習PROJECT代表の富岡です。
今回は2023年共通テスト国語について解説します!



1/14(土)に共通テスト1日目が行われました。
1日目は社会、国語、英語の順に受験しますが、今回は国語についての総評となります。


この記事は以下の方に有益な記事となります。

・2023共通テスト国語を受験した受験生
・来年以降共通テストの国語を受験する予定の方
・国語の指導に携わる方



また、1日目の科目「倫理」の総評は以下よりご覧いただけます。ご参照ください。

【最新版】2023共通テスト倫理の傾向と総評



それでは解説していきます!


2023年国語の特徴は…?

まず、今回の国語の設問数などをデータとしてまとめておきます。


問題番号内容備考設問数
第1問評論
柏木博『視覚の生命力―イメージの復権』
呉谷充利『ル・コルビュジエ』と近代絵画―二〇世紀モダニズムの道程』
ダブルパッセージ型6
第2問小説
梅崎春生「飢えの季節」
資料・メモ添付7
第3問古文
源俊頼『俊頼髄脳』
源俊頼『散木奇歌集』添付4
第4問漢文
白居易『白氏文集』
ダブルパッセージ型7
計24
※設問数はマーク数と異なる。



上表のとおり、設問数は24でした。
昨年の設問数に比べて2つ増えました
マーク数でいうと1つ増えました


全体の難易度は、学習PROJECTではやや難とします。


相変わらずダブルパッセージ型(文章2つ)がみられました。
こうしたタイプは今後も続きそうです。
資料やメモ、生徒の対話も引き続き出題がみられそうです。


各大問ごとに詳しくみていきましょう!


第1問:評論の難易度

第1問評論の難易度は、やや難です。


評論文は、論理展開がはっきりしているので訓練次第で安定して点数が取れます。
しかし今回は設問がやや難しく、正解を選ぶのにかなり時間を要した人が多いでしょう。


おそらく今回の問題を解いてみるに、本文の読み取り以上に、設問へのアプローチが重要だと思います。
設問は何を要求しているのか?生徒の会話では空欄の直前で何と言っていたか?など、本文以外の読み取りが鍵になります。
それができないと、永遠に2択で迷い続けてしまいます…!


受験生の中には評論文から解き始めた人も多いでしょう。
その人達は面食らってしまったかもしれません。
いかに立て直せるかが大切ですね。
そうした訓練も、練習の段階でしっかり習得したいものです。

第2問:小説の難易度

第2問小説の難易度は、標準です。


小説は、対策の仕方がいまいち分からず場当たり的になっている受験生が多いです。
それゆえに、今回の小説で結果が振るわなかった方もいることでしょう。


しかし、それでも難易度は標準的で、しっかりと対策を積んだ受験生は高得点も見込めるものでした。
今回のような戦後文学は頻出の分野ですから、そもそもそうした小説読解の練習もしておく必要があります。


小説では、より「書いてあることに忠実に!」の精神が必要になります。
客観的選択肢の問題なのですから、個々人の主観によって解答が割れてはならないのです。
相応の対策を積む必要があります。


今回は「資料」と「構想メモ」が問7に付されました。
そうした読み取りも訓練する必要が今後も出てくるでしょう。


第3問:古文の難易度

第3問古文の難易度は、標準です。


貴族の船遊びの場面であり、古文常識の学習ができていれば状況は整理しやすかったと思います。
個人的には、総合的な力をみる良い問題だと感じました。


古文はついつい、単発で単語・文法の勉強をして安心してしまいがちですが、どちらかで言えば、過去のセンター試験含め、文章の中で知らない言葉を覚えていく地道な作業の方が効いてきます


また、和歌の表現技法「掛詞」の出題がありました。
今後も出題の可能性がありますので、掛詞に限らず、序詞や枕詞、縁語といった表現技法もおさえておくと良いでしょう。


第4問:漢文の難易度

第4問漢文の難易度は、標準です。


漢文自体が比較的取り組みやすい分野ですので、やはり失点は避けたいところでしょう。
句法をきちんと覚え、文章題にいくらかあたるだけで高得点が見込めるのが漢文のおいしいところで、今回の題材もその例にもれず、高得点が見込めるものでした。


特に今回の漢文はダブルパッセージ型とはいいながらも、2つの文章の読み比べをあまり必要としないものでした
読み解いていく中で、徐々に文章の輪郭がつかめてくるはずです。
自分が選んだ選択肢からもヒントをもらうことができるので、そこを有効活用できるかも鍵です。


共通テストや実践問題集はもちろん、過去のセンター試験の問題にあたることも十分練習になります


今後の国語の対策は…?

現代文は、読み方と語彙・テーマの勉強に加え、記述問題にもチャレンジしましょう。


共通テストはマーク試験の問題「だからこそ」記述の勉強をすることで、現代文の深い理解が得られます。
「何とか表現したいのだけれど、表現できない…」
この経験を繰り返す中で、自分の手持ちの語彙が豊かになっていくのです。


古文や漢文は、復習の際に本文の音読を10回しましょう
英語と同じく、古典も外国語学習のようなものです。
知らない単語や文法を一通り調べたら、とにかく音読しまくるのが一番です。
共通テストや実践問題集だけでなく、センター試験の問題も有効活用するべきです。


国語の勉強を見直そう!

国語は勉強がいい加減になりがちな教科です。
これから二次試験で国語を使う方、来年共通テストで国語を使う方はしっかりと現時点で国語の勉強を見直しましょう。


「なんとなく日本語だからまあいいや」 
という態度では当然だめです。
国語はもっと根底の部分で勉強全般につながっているのです。


再来年度から新課程での共通テストになります。
以下2025年に行われる新課程版共通テストの解説をした記事になりますので、併せてご活用ください。

【新課程】2025年共通テストの主な変更点を徹底解説!

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